構造溶接解析(CalculiX)の機能詳細

熱源モデル

簡易的な熱源モデルを導入しており、エネルギー指定、空間形状、熱流束分布、移動、熱流束の物質の状態等の機能を使用して構造物内部の温度変化を有限要素法によりシミュレーションできます。

エネルギー指定

熱源に想定するパワーをWなどの単位時間あたりのエネルギー投入量を用いて指定できます。

空間形状

レンズで集光したときのような円錐形のエネルギー分布(B)を考慮できます。また、進行方向に対する断面として、円形の断面(A, B)のみならず、矩形(C)でのエネルギー投入をモデル化できます。

CulculiX_空間形状(A.円筒形、B.円錐形、C.矩形)

空間形状(A.円筒形, B.円錐形, C.矩形)

熱流束分布

上記の空間形状内の断面内の熱流束分布として、断面内で一様な分布、熱源中心軸を最高強度とするガウス分布、中心軸からの距離に応じてユーザ指定の強度を使用する半径方向分布を利用できます。熱流束分布の面積分は指定したパワーに一致します。

CulculiX_熱流束分布

熱流束分布

移動

熱源モデルでは熱源の移動を、速度を用いて設定できます。移動速度は時間変化を指定できます。また、移動経路として各時間における熱源の座標位置を指定することもできます。さらに一般にウォブリングと呼ばれる動きについて、平均的な移動速度と周回周波数から設定することができます。

CulculiX_熱源の移動

熱流束対象物

熱流束は構造物の指定した表面を加熱するモデル化をしています。CAD形状をもとに有限要素法の解析用メッシュを作成することで、構造物についても温度変化をシミュレーションできます。

予測現象

熱源モデルを用いてシミュレーションした結果としての温度分布を用いて、片連成により有限要素法による構造解析を行えます。その結果として変位や応力を評価でき、特にvon Mises応力や残留ひずみの評価を行えます。

CulculiX_予測現象

結果出力

CalculiXによるシミュレーションの結果はParaViewを使用して開くことのできるXDMF形式に変換できます。ParaViewは無料で公開されている高機能の可視化ソフトです。そのため、XDMF形式の解析結果ファイルを受け渡すことで、誰でもグラフや画像、アニメーション形式にポスト処理し、確認することができます。

CulculiX_結果出力

残留ひずみシミュレーション

溶接などで急加熱された材料は、冷却後にひずみが残り、例えば板材を溶接した場合にV字型に塑性変形する場合があることが知られています。有限要素分割をした構造物に熱源モデルを適用することで、変形を予測できます。

CulculiX_熱源モデルの変形予測

熱源モデルの変形予測

アルミ合金(ADC12)の板の表面にレーザ熱源の走査を模擬した熱伝導解析の結果を右図に示します。時々刻々の温度分布をもとに有限要素法による熱応力解析を行います。この際、材料の塑性を考慮して解析を行います。

CulculiX_熱伝導解析結果

熱伝導解析結果

右図は冷却後の変位量であり、塑性変形が残っている様子がわかります。この変形量は想定する材料によっても異なります。

CulculiX_変位量

変位量

下図は同量のエネルギーを投入する解析に対して4種類の異なる材料物性を使用した結果の比較です。銅、アルミ合金(ADC12)、ステンレス鋼(SUS304)、ニッケル基合金(Inconel718)の順に板の裏側向きの変形量が増加することがわかります

CulculiX_材料物性を使用した結果

材料物性を使用した結果