結晶成長予測解析詳細機能

溶接熱影響部の結晶粒成長シミュレーション

下図は、チタン合金(Ti-6Al-4V)の母材に対しレーザを照射した際の母材断面の結晶粒成長状況をモンテカルロ法で評価した結果です。熱影響部では結晶の粗粒化、溶接金属部には溶融境界からレーザ照射点に向けて成長する柱状晶が見られます。また、溶接中央部には等軸晶が形成されています。これらは実際の溶接部でも確認される結晶組織です。

結晶粒成長シミュレーション(溶接熱影響部)

結晶粒成長シミュレーション(溶接熱影響部)

結晶粒成長シミュレーションによる機械的特性の評価

モンテカルロ法により得られた結晶粒の粒径分布を下図(上)に示します。母材部と比べて熱影響部で2倍、溶接金属部の柱状晶では4倍程度に粗大化していることがわかります。結晶粒径は金属材料の引張強度や疲労限度などの機械的特性に影響し、微細なほど材料の強度が上昇するHall-Petch則などが知られています。下図(下)は結晶粒径から評価した疲労限度を示しています。母材の320MPaに対し、粗大な柱状晶では250MPa以下に低下していることがわかります。
結晶成長シミュレーション_結晶粒の粒径分布(モンテカルロ法)

結晶粒の粒径分布(モンテカルロ法)

冷却速度を大きくした場合の粒径分布(上)および疲労限度(下)を下図に示します。冷却速度を大きくすると結晶成長の時間が短くなることで結晶粒の肥大化が抑制されていることが分かります。これに伴い疲労限度の低下も抑えられています。

結晶成長シミュレーション_冷却速度の影響

冷却速度の影響

その他

下図は、アルミ合金(レーザ出力2KW、初期結晶粒径50μm)の結晶粒成長状況を評価した結果です。下図上は温度変化、下図下は結晶粒成長を示しています。